医師・看護師・介護士が知っておきたい制度改定のポイント

医療・介護現場では人材不足が深刻化する中、賃金水準の引き上げと働き続けられる環境づくりが重要な課題となっています。
その中核となる制度が、厚生労働省が推進する「処遇改善加算」です。

2024年度の介護報酬改定で制度は大きく整理され、2026年度(令和8年度)に向けては“処遇改善の定着・実効性”がより強く求められる段階に入っています。
本記事では、厚生労働省の公式資料のみをもとに、2026年を見据えた処遇改善加算のポイントをわかりやすく解説します

1. 処遇改善加算とは?制度の基本をおさらい

処遇改善加算とは、介護・医療現場で働く職員の賃金や職場環境を改善することを目的に、
国が事業所へ上乗せ給付を行う制度です。

2024年度改定により、以下の3加算は一本化されました。

介護職員処遇改善加算

介護職員等特定処遇改善加算

介護職員等ベースアップ等支援加算

現在は「介護職員等処遇改善加算」として運用されています。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001226462.pdf

2. 2026年に向けた位置づけ「改定後の完成年度」

2024年度改定は制度再編が中心でしたが、2026年度はその制度を現場に定着させる
“完成年度”と位置づけられています。

厚生労働省は以下を明確に示しています。

加算財源は必ず職員の賃金改善に充当すること

一時金だけでなく基本給・手当による継続的改善を重視

キャリア形成や職場環境整備との一体運用

つまり2026年は、「取って終わり」ではなく「どう配分し、どう改善したか」が
厳しく見られる年となります。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001226460.pdf

3. どれくらい賃金が上がる?厚労省が示す改善水準

厚生労働省は、処遇改善加算による賃金改善効果について、以下の水準を示しています。

介護職員1人あたり月額 約9,000円相当の賃金改善

ベースアップ等支援加算を含めた恒常的引き上げを重視

この水準は、賞与ではなく月例賃金(基本給・定額手当)への反映が原則
とされています。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001122739.pdf

4. 介護士だけではない 看護師・医師への間接的影響

処遇改善加算は主に介護分野の制度ですが、医療職にも無関係ではありません。

看護師への影響

介護施設・訪問系サービスで働く看護師も配分対象になり得る

介護職の賃金底上げにより、チーム全体の人材定着が改善

医師への影響

医療・介護連携施設での人材流出抑制

医師の業務負担軽減(介護人材定着による)

厚生労働省は、
「職種を超えたチーム医療・ケアの安定」
を処遇改善の目的として明記しています。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001221300.pdf

5. 2026年に向けて事業所が求められる対応

2026年度に向け、事業所には以下の対応がより重要になります。

賃金改善計画書・実績報告書の整合性

配分ルールの職員への説明責任

キャリアパス要件(昇給・研修)の明確化

職場環境等要件(ICT導入・業務負担軽減)

これらは加算算定の継続条件であり、
不備があれば返還対象となる可能性もあります。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001226458.pdf

6. 求職者が転職時に確認すべきポイント

医師・看護師・介護士が転職を考える際、以下は必ず確認しましょう。

処遇改善加算を実際に算定しているか

基本給に反映されているか、一時金のみか

過去の賃金改善実績

職員への配分方法が明示されているか

求人票だけでは分からない部分も多いため、
制度を理解した上での情報収集が重要です。

7. 2026年の処遇改善加算は「働き続けられる職場」への指標

2026年に向けた処遇改善加算は、
単なる賃上げ制度ではありません。

✔ 賃金の継続的引き上げ

✔ 職場環境の改善

✔ 人材定着とチーム医療・介護の安定

これらを本気で実行している事業所かどうかを見極める指標になります。

制度を正しく理解することは、
自分のキャリアと生活を守る第一歩です。

※本記事の引用・参照データ

すべて厚生労働省公式資料
https://www.mhlw.go.jp/